1人の僧が掘り上げた305体の羅漢像に圧倒される!目黒区・天恩山五百羅漢寺!
東急目黒線不動尊駅から徒歩8分にある五百羅漢寺。内部には、松雲元慶というたった1人の僧が彫りあげた羅漢像(仏陀にお供した五百人の僧の像)が祀られています。その数、実に305体!等身大ほどもある羅漢像が所狭しと並ぶ光景は圧巻で、鳥肌が立つような感動を与えてくれる場所でした。
天恩山五百羅漢寺ってどんなところ?
五百羅漢寺は、京都出身の僧・松雲元慶(しょううんげんけい、1648年〜1710年)が創建した寺院です。
22歳で仏門に入った松雲元慶は、修行で諸国を回っているときに、豊前国(現在の大分県)で見た五百羅漢の石像に感銘を受け、自身でも五百羅漢像を彫るという誓いを立てます。1687年、江戸に着くと、托鉢で資金を貯め、羅漢像を掘り始めました。そして1695年(元禄8年)本所(現在の江東区大島あたり)に、元慶が開基、その師である鉄眼が宗祖となり、山号を天恩山として五百羅漢寺が創建されました。元慶は、その間も羅漢像を彫り続け、十数年かけて536体を完成させ、これらの仏像群を納めるため、堂塔の建設を進めている途上で死去しました。
元慶の死後、五百羅漢寺には徳川将軍の援助を受けて大伽藍がつくられ、江戸でも有数の観光地として繁栄します。
しかしその後は度重なる洪水や安政の大地震によって荒廃し、536体の像のうち、およそ3分の1が失われました。1908年(明治41年)に現在の位置に移されますが、その後も住職不在の時期があったようです。昭和に入ると、総理大臣桂太郎の愛妾であった元芸妓の尼僧・妙照尼が住職になり、その後も代々の住職によって境内の整備が行われて復興し、1981年(昭和56年)には近代的なビルに生まれ変わります。現在では、残された305体の像は、東京都の指定有形文化財に指定され、「目黒のらかんさん」として多くの人に親しまれています。
基本情報
【アクセス】
東急目黒線不動前から徒歩8分
JR目黒駅から徒歩12分
【営業時間】
9時〜17時
【拝観料】
一般:500円
高校生・大学生・65歳以上:400円
中学生以下:無料
【地図】
【住所】
目黒区下目黒3-20-11
天恩山五百羅漢寺の見どころ
本堂。1981年の創設です。この中に本尊の釈迦如来像と、大勢の羅漢像が安置されています。
羅漢堂。本堂に収まりきらない146体の羅漢像が祀られています。
内部は撮影禁止なので、ご自身の目で確かめてください。芸術家でもあった一人の敬虔な僧の執念のようなものを感じて、管理人は本当に鳥肌が立つような感動を覚えました。
大勢のらかんさんに圧倒された後は、一人ひとりの表情を見比べてみると、また違った味わい深さを感じることができるでしょう。
536体のうち、およそ3分の1が失われたことは残念ですが、せめてこの305体が残されていて本当によかったと思えるような場所でした。個人的に非常におすすめの見どころです。